「Tokyo」 森山大道

住所とか全て英語表記なので、この本はいちおう「東京」の外国人向けガイドブックという体裁だが、本書を持って東京を歩くとなると案内にならないのではなかろうか。ガイドブックの写真が全て白黒というのも今ではあまりないと思う。実際のランドマークを見つけるには見た目と同じカラーのほうが良いのではと思ったけれども、多分ガイドブックとして本書を買う日本人はあまりいないだろう。管理人は写真集として本書を購入した。この本をガイドブックとして利用している外国人に遭遇し「これはどこにあるのか」と聞かれても答えられないことのほうが多そうだ。

 この本には、あの日のときめきを追い求め、路地に這い蹲るようにして彷徨き続けた末、ぼくなりの視点で捉えた、現代の東京の街並みが掲載されている。
 もし、この本と、そしてカメラを手に、この街を巡る人がいるならば、というかそれぞれの視点で、興味の赴くままに、東京を活写してほしい。
 ただし、あなたが対峙するのは60年間、ここに暮らし日々レンズを向け続けたぼくですら、その正体を掴みきることができないでいる、ひたすらに巨大な渾沌なのだと覚悟していただきたい。

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