Citizenfour

日誌

シチズンフォー スノーデンの暴露 [DVD]

大量監視時代

遅ればせながら映画『シチズンフォー スノーデンの暴露』を見た。2013年映画監督ローラ・ポイトラスは、コードネーム“citizenfour”を名乗る人物から暗号化されたメールを受け取る。2013年6月ローラは香港でこの人物と会うことになる。コードネーム“citizenfour”とは元NSA(国家安全保障局)、元CIA(中央情報局)職員のエドワード・スノーデンだった。

スノーデンはNSAの機密文書を内部告発するため、ジャーナリストと接触したのだった。ドキュメンタリー映画にもかかわらず、このあたりはスパイ映画さながらの緊迫した場面。スノーデンは盗聴、盗撮、PCのハッキングやメールの暗号化に神経を使う。スマホは使い捨て、PCも複数台所持。途中で火災警報器が何度も鳴り、見ている方もびっくりする。

スノーデンが語るNSAの通信監視システムは衝撃的内容だった。テロや犯罪にも関係ない個人の通信情報をNSAが収集していた。また、Microsoft、Google、Yahoo!、Facebook、Apple、AOL、Skype,YouTube、PalTalkのwebサービスのユーザー情報をバックドアをもうけることで直接テータにアクセスしていた。オーウェルの「1984」なみの監視社会が現実化されているといっても、何かフィクションのようで実感がわかない。

スクープをした英国の「ガーディアン」も政府の圧力により、機密文書の物理的保持が禁止され、PCやハードディスクを電動工具で破壊している場面が印象的だった。「ガーディアン」の記者たちはNSAの監視対象になり、不可解な出来ことがおこる-記者たちの自宅付近で、ロンドン市で計画されてない工事が行われ通信ケーブルを交換していった-。

結局スノーデンはロシアへ行き、現在も滞在している。恋人もロシアへ渡り、一緒に暮らしているようだ。映画を見た後、ネットで”エドワード・スノーデン”や”NSA”等を調べてみた。このような検索結果もログが残っており、その情報は監視しているところに残るのだろうと妄想してしまう。「大量監視は何をもたらすか?」という質問にスノーデンは次のように答えている(東京新聞電子版より)。

 「『あなたに何も隠すものがないなら、何も恐れることはない』とも言われるが、これはナチス・ドイツのプロパガンダが起源だ。プライバシーとは『隠すため』のものではない。開かれ、人々が多様でいられ、自分の考えを持つことができる社会を守ることだ。かつて自由と呼ばれていたものがプライバシーだ」
 「隠すことは何もないからプライバシーなどどうでもいいと言うのは『言論の自由はどうでもいい、なぜなら何も言いたいことがないから』と言うのと同じだ。反社会的で、自由に反する恥ずべき考え方だ」

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