「たましいの場所」 早川義夫

本の話

江差へ行くときに持って行く本を買いに本屋へ行ったところ、文庫本の棚に本書が平積みなっていて懐かしい名前だなあと思い購入した次第。江差へは3冊の本を持って行き2冊を読み終わって、3冊目の途中で札幌に着いた。早川さんの本で最初に読んだのは晶文社の”就職しないで生きるには”シリーズ(だったと思う)の一冊「ぼくは本屋のおやじさん」だった。この早川書店がどこにあるのかわからず、書店が閉店した後にJR南武線の武蔵新城駅前にあったということを知った。新城の駅前は何回も行っていたのに全く気がつかなかった。

“早川義夫”という名前を聞いて、思い出すのは管理人の場合本屋のおやじさんで、あのジャックスのリーダーとしてではなかった。さすがにジャックスは知らないバンドで、レコードも聴いたことがなかった。本書を読んで早川さんが本屋さんをやめた後、ミュージシャンとして復活したということを知った。しかもプロデューサーが元四人囃子の佐久間さんだったとは。その佐久間さんはジャックスのファンだった。その後、早川さんと佐久間さんはユニットで活動していたこともあったようだ。

本書のなかには”女好き”の早川さんのことがいろいろ自虐的に書かれている。それにしても、奥さんはよくできたひとなのか、夫に関心がなくなってしまったのか、浮気(本気?)している夫に浮気相手の取扱いについてアドバイスしているのには驚く。奥さんは川崎の風俗店に早川さんが通うのも黙認している。WEBに掲載されているエッセイでこんな内容を書く早川さんもスゴイけど。文庫版の最後に”「たましいの場所」について”というオマージュエッセイが付いているのだが、「たましいの場所」については何も書かれておらず不思議だ。

歌を歌うのが 歌だとは限らない
感動する心が 音楽なんだ
勇気をもらう一言 汚れを落とす涙
日常で歌うことが 何よりもステキ

言葉は自分の心を 映し出すもの
何を語っても叫んでも 鏡に映るだけ
本当に素晴らしいものは 解説を拒絶する
音楽をめざしているのは 音楽ではない

僕は何をするために 生まれて来たのだろう
何度も落ち込みながらも 僕は僕になってゆく
夜空に放つ大きな花 身体に響く音楽
何の野心もなく 終わりに向って歩く

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