「ポップ・スピリチュアリティ」 堀江宗正

本の話

「ポップ・スピリチュアリティ」とは何だろうと思い本書を購入。本書はポップカルチャーやサブカルチャーに潜む宗教性をネット情報をもとに分析している。そこにしばしば登場してくるのが江原啓之という人物。江原は10年くらい前にスピリチュアル・カウンセラーとしてTVにしばしば登場していた。

本書はこの江原啓之に関連して3章を割いている。管理人が驚いたのは、ほぼネット情報とTV番組と江原の著作だけで研究論文を書いていること。江原自身に直接インタビューしたり、討論を行ってはいない。著者は中立の立場というか、江原啓之の言論を否定も肯定せず、メディアでの受容について分析を行っている。そのため、江原啓之的スピリチュアリティの批評を期待していた管理人は拍子抜けした。

他の章でもネット情報というかGoogleの検索結果を著者はしばしば利用している。個人のブログの検索で、ミクシィや大手ブログサービスだけを対象にしていた。レンタルサーバーを使った個人のサイトを除外している理由が不明。まあGoogle検索結果で、seo対策をしていない個人サイトが上位にくることがないけど。なぜミクシィ(今やモンストがメイン事業)の情報を頻繁に著者が利用するのか不思議だった。本書の後半で、著者はクローズドSNSとしてミクシィを利用しているのがわかり納得した。

「今日の科学では、光は何らかの媒質による波動だという波動説が確立されている」と本書にあり、ちゃんと校閲したのかなと疑問に思った。光を媒介するエーテルは20世紀初頭特殊相対性理論で否定され、光の波動性と粒子性は光子として統一された。エーテルは通信技術用語”ether net”として現在使われている。

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