「渋松対談 赤盤・青盤」 渋谷陽一+松村雄策

本の話

暇潰しに入った書店で、たまたま「渋松対談」を見つけて、衝動買いしてしまった。正直「渋松対談」はとっくに終わったと思っていたので、まだ続いていたのには驚いた。本書のまえがきで、「渋松対談」は実際の対談を書き起こしたのではなく、渋谷か松村が一人で書いた創作対談ということが書かれていてまた驚いた。

管理人が「ロッキングオン」を初めて読んだのが30年位前で、「陽一さんのもしもし編集室」(だったかな?)と「渋松対談」を楽しみにしていた。「ロッキングオン」が「ロッキングオン Japan」と分かれたあたりから、あまり読まなくなった。

久し振りに読んだ「渋松対談」は、昔とあんまり変わっていなかったというかそのままのような感じがした。永遠の還暦モラトリアム・ロック少年恐るべし。相変わらず、ツェッペリンの話題が多い。渋谷さんが編集長を辞めても「ロッキングオン」には渋谷臭が残っているとこの本に書いてあったが、今月号の「ロッキングオン」の表紙は昔のツェッペリンの写真だった。

昔の渋谷さんのラジオ放送は、「こんばんは渋谷陽一です」と言って、いきなり曲がかかった。この対談は、「こんにちは××です」と始まるパターンが多い。例えば、

渋谷-コンニチワ、ジミー・ペイジです。嫌な奴の顔は絶対に忘れません。
松村-お前、今回のインタヴューの時、ジミー・ペイジに「また、お前か」って言われたんだって。
渋谷-失礼な奴だよな。「毎回、毎回、日本に来る度に、お前じゃないか」とか言うんだぜ。
松村-でも、本当じゃないか。
渋谷-前回怒らせたんで、憶えていないといいな、と思ったら、しっかり憶えてやんの。
松村-怒らせたから印象に残ったんだよ。でも、なんで怒ったんだ。
渋谷-「ロバート・プラントはなんであんなにツェッペリンのことが嫌いなんですかね」って訊いたら「知らねえよ、そんなことは本人に訊いてくれ」とか怒ってたんだよ。
松村-そんなことを訊かれても困るからだよ。

という感じで対談は進んでいく。これはSのマークがあるので、渋谷さんが書いた自虐創作対談。渋谷さんは真性執筆中毒者じゃなかろうか。永遠のロック少年のおふたりには、これからも頑張ってもらい、40周年「渋松対談」本を楽しみにして待っている。

新着記事

TOP